そんなあたしの姿を見つめる、彼の視線に気づいた途端、あたしの胸が痛み出す。

そっちに顔を向けることは出来ず、だからといって、これ以上咲奈を見つめることも、出来なかった。



「…あたしにどうしろって言うの?」




昨日。

あたしの咲奈への想いを正紀に伝えた。
彼はあたしを軽蔑するか、友達を辞めるか、なんせよ、最悪の状況だけを予想していた。

でも、


「知ってる」


彼はそう言った。

驚いた顔すらせずに、はっきりと。


「なんとなく、分かってたよ」


そして、笑いながら、泣いていた。