それでもまた就職活動してアルバイトだが職が決まった。しかしまた長続きはしなかった。思った以上に体も心も弱っていた。その後もいろいろなバイトを転々としたがやはり長続きはしなかった。そんな状態が続いたので家族との仲も悪化してゆき家族の誰とも話をしなくなった。ママも私の事がストレスとなって心の病に掛かりかけていた。そんな時に知り合いのおばさんがテレビで見た現代の駆け込み寺を紹介してくれた。早速電話をしてみたらいつでもいらっしゃいと言ってもらえたので翌日に新幹線に乗って駆け込み寺に向かった。そこの駆け込み寺にはDV(ドメスティックバイオレンス)や心の病の人が五名位集団生活をしていた。私は一つ歳下の子と同じ部屋で暮らす事になった。今までは部屋に一人っきりで居る事が多かったので最初は抵抗があったけどすぐに兄弟同然に仲良くなれた。病気になってから友達が沢山離れていったから新しい友達ができてすごく嬉しかった。そこの責任者である尼さんはもう70歳になるのに五年前に自分の私財を売って借金までして駆け込み寺を作ったすごい人です。私はそこに約五ヶ月お世話になっている。そこでの生活は今までの自分を随分変えてくれた。今まで家族以外の人と生活した事がないので気をつかい大変な部分もあるけどすごく人生勉強ができる。1番に感じた事は辛い思いしているのは自分だけではない、私より何十倍も辛い人がいるんだ。私は自分が世界で1番不幸な人間だと思っていたが私はまだ幸せだったなと言う事だ。入所者の中には何十年も夫からの暴力を受け続けた人、実の父親から性的虐待を受けた方、心の病気で入退院を数えきれない位してる方など。世の中にはこんな苦しい思いをしてる人が居たんだ。みんなの事を思えば私はホントに幸せ者だと思った。
私はここが私の居場所だと確信し、ここから新しい人生をスタートさせる事を決意した。