『息ができない、心臓が止まっちゃうよ〜。死んじゃう助けて〜。』私は路肩に車を停めて冷や汗でびしょりの手で携帯を握りしめママに助けを求め必死の思いで電話をした。電話を切ってからママが来るまでの時間は今までに感じた事がない位時間を長く感じた。実際はほんの10分位なのに・・・。待っている時間は『死』の恐怖にずっと震えていた。やっとママが迎えに来てくれて近くの総合病院の救急外来に駆け込んだ。病院に着いた私はもう自分の足では歩けない位フラフラで意識もうろうとしていた気がする。医者にすがる思いで自分の状態を説明した。『先生心臓が止まりそう息が苦しい死んじゃうよ。助けて』先生は冷静に、『とりあえず検査をしましょう』と言い検査を事になった。心電図、血液検査、尿検査、レントゲン、CT。私は結果が出るまで病院のベットに横になって震えていた。と同時に『死』の一文字が頭の中を支配していた。それからどれ位の時間が経ったんだろう。医者に呼ばれ検査結果を聞いた。『異常はありませんね。ただの疲れでしょう』私は自分の耳を疑った。こんなに苦しいのに異常なし?ただの疲れ?私は医者にものすごい不信感を抱きながらとりあえずブドウ糖の点滴をうけた。点滴が終わりまだふらつく足でママと自宅へ戻った。救急外来での受診だったため、翌日にまた同じ病院で精密検査を受けた。やはり医者から出た言葉は異常なしだった。