来ないでほしいと心の奥底から願っているあたしをよそに楓音とそのお連れの皆さんはずんずんやってくる。
そして ぴたっ、と上杉の隣で止まったかと思うと、
いきなり上杉の腕を掴んで・・・・
「ねぇ、上杉クン? うちら、学校案内してあげるぅ~ まだここになれてないでしょ~??」
と、ちょっと声のトーン高めにしゃべりながらちらっと横目でこっちを睨んできたのは気のせいでしょうか。
「え、いや、あぁ… 別に、今日校長先生と学校見て回ったからいいん――――――…」
「じゃぁ、行きましょっ!!」
ぐいっと自分の胸に上杉の腕を押しつけた。
上杉真っ赤になった。
オトコは単純だねぇ・・・。
「ねぇねぇー。 コウジくんって呼んでもいい??」
「あはっ!! あたし賛せーい♪」
「おっ、おぉい!! かかっ!! なるみちゃん!! 誰でもいいから助けてくれぇぇぇ!!!」
ぎぃゃぁァァァァァァァァアあゝああっっっ!!!
きゃーきゃー喚く連中にほぼ強引に上杉が学校案内に連行された。
「・・・・・・・・。」
と、あたしたちがただ呆然と連れて行かれる上杉の背中を見てると、かのんももたろうにきび団子をもらったお猿さんの一人がやってきて
椅子に座り、口を開けるなるみの前に立ちはだかった。
「もう、上杉クンに近づかないで!!」
と、か弱いなるみに言い放って走って去って行った。
なるみはわけがわからない様子だった。
まぁ、ここに残ってるみんなそうだったけど。