いつか思い出してもらえたらという希望をこめて。
当時、大切なものだったかもしれないものを約束の証としてくれたお礼も兼ねて。
リクはそう語ると「小春」と静かな声で私を呼んだ。
そして、首元にネックレスのひんやりとした感触を感じた直後、石鹸のようなコロンの香りが鼻をかすめ──
「オレ、お前の事が好きだよ」
言葉と共に、優しく抱きしめられた。
「幼なじみとか、そんなんじゃなくて……本気で好きなんだ」
「リ…ク……」
どうしようもないくらい嬉しくて、胸が押し潰されそうなくらい愛しくて。
こみ上げる想いと、リクの告白に視界が涙で滲んでいく。
「多分、約束をくれたあの日からずっと、お前だけに恋し続けてる」
優しい声色で告げられて、ついに大粒の涙が零れてしまった。