これ……確か、リクの部屋の机にあったやつだ。

リクが箱の蓋を開ける。

すると、現れたのは……


小さな桜の形をしたシルバーのネックレス。

桜の花びらの部分には、透き通ったピンクの石があしらわれていて……


「すごい可愛い……」


思ったままに口にしたら、リクが嬉しそうに笑みを濃くした。


「オレが作った」

「……えっ!? リクが作ったの?」


お店で売ってるものかと普通に思っていた私は、心底驚いて目を丸くしてリクを見た。


「うん、小春の為にね」

「わ、たし……?」

「そ。んで、ここからが百瀬の話しになるんだけど、百瀬のにい……じゃなくて、姉ちゃんがさ、シルバーアクセ作ってる人だって聞いて」


そこまで聞いて、私は二人がマンションに入っていくのを思い出した。


「……もしかして、百瀬さんの家に通ってたのは……」

「げっ。そこも見られてたのか」


リクはバツの悪そうな表情を浮かべ、苦笑いしながら説明してくれる。