ドリンクバーの方に目配せしてたずねると、瑠衣は
「じゃあ一緒に行きます」
と微笑んだ。
瑠衣はコーラ。
わたしはまたホットコーヒー。
まるで自分まで高校生に戻ったみたいに、ソフトドリンクで過ごす。
ドリンクバーの前にふたりで並び、コーヒーのお代わりを入れているとき、とたんに不思議な気持ちになった。
なんでわたし、こんな真夜中に、片瀬瑠衣とふたりでファミレスにいるんだろう?
さっきまで妻子もちの男とホテルにいたはずなのに、ギャップすごすぎ。
瑠衣は、純朴な人柄だけど頭の回転は速く、話もおもしろかった。
たわいない話をしながら気づけば一時間が経っていた。
「もう2時やわ。ごめん、親御さん心配してるね」
「うちはけっこう放任やから平気ですよ」
「そういうわけにはいかんよ」
あっけらかんとしている瑠衣を立たせ、急いで店を出た。