ひとりになった部屋で、わたしは倒れこむようにソファに身を投げ出した。


瑠衣が一晩眠った場所。

わずかに残っている瑠衣の匂い。

吸い込むと、胸がいっぱいになった。



わたし……本当に、告白しちゃったんだ。


自分でもまだ信じられない。


だけど昨夜、雪の中で涙を流しながら震える彼を見たら、どうしても我慢できなかったんだ。



わたしはさっき帰っていった瑠衣の後ろ姿を思い浮かべた。


今日こそ家族と話し合う、と言っていた瑠衣。


大丈夫かな。

やっぱり、すごく心配。

彼にとっての家庭は、幸福の土台だったはずだから。


それが崩れてしまうような悲しい思いを、これ以上してほしくはないよ……。



そのとき、部屋のどこかで電話が鳴った。


自分のとは違う着信音。

それはソファの下に転がっている瑠衣の携帯だった。


きっと落としたまま気づかずに帰ってしまったんだ。

どうしよう。

もう追いかけても無理だろうし。


そんなことを考えている間にも、着信は数十秒続いた。


……誰からだったんだろう。