倍率低めの高校。
受かると思った。
いや、受からなければおかしい。
たくさん
勉強したんだもの。
そう、たくさん────
私が手に持っていた紙の番号と合格結果を見てみた。
「ない。どうして……」
目眩がした。
無いじゃない………
「君、何番?」
優しい声で
話しかけられた。
「22………あぁっ!
友成!」
「落ちたの?
ずいぶん落ち込んでらっしゃるけど」
「…うん。」
友成はひょいっと
私の番号紙を
もちあげた。
「なーんだ。
受かってんじゃん。
つまんねぇ」
友成は補欠合格の部分を
指さした。
「ほんとだ………
ほんとだよ!
やったー!」
つまんねー
なんていいながら
私は知ってる。
友成がほんとは
喜んでくれてるってこと。