やっと来れた


残りわずか

「楽しまなきゃ」

彼女はポツリとつぶやく

その声は誰にも聞こえることはない

彼女はにやりと笑い

学校に入って行った。

誰も通っていない廊下を歩いて教室に向かう。


2-G

彼女は教室のドアを開ける。

皆の視線を集めた彼女は何事もなく

ゆっくりと窓側の一番後ろの席

今まで誰も座ったことがない席だ

彼女はそこに座る。

今は英語の授業

先生は彼女の遅刻になにも言わない。

ただ、クラスの連中はざわつきだす。

今まで来たことのない生徒。

誰も顔を見たことのない彼女の姿を見て

男どもは顔を赤らめる

女どもは驚愕する

彼女は周りを気にせず

窓の外をみる

そして

ニヤリ

「見つけた」

彼女は静かにつぶやいた。