ちょうど今日は金曜日。
だけど、私はまだ荷物とかなにも支度してないよ。

実は同居って冗談だったりして…。


「なんだ、その顔。明日から一緒に暮らすのは冗談じゃねえよ?」


「嘘ー…!」


「…本当、分かりやすいやつ。」



それから、私はどうやって家に帰ったのか覚えていない。気がついたら自宅の玄関前にもう、立っていた。


私はゆっくりと家の中へ入った。するとなぜか荷物をまとめているお母さん。


「あら、お帰り結香。どうしたの?ぼー、として。」


いや、どうしたの?は私のセリフだよね、ママ。

「なに、してるわけ?」


「あぁ、これは明日からパパの仕事の関係で二人でアメリカへ行くのよ。

あ、大丈夫。安心しなさい、あなたのことは信用できる人に頼んどいたから。」


「それって…。」


「もちろん、結香の担任の先生。」


やっぱりね、本当だったんだー…。


「あら、あまり驚かないわね。もしかして、知ってた?」


「うん、おしえてもらった。さっき。

ねえ、なんで教えてくれなかったの…?」


「え…だって忘れてたんだもん。と、とにかく。そういうことだからさ、荷物とかまとめておきなさい。

ベットとか机は明日、業者の人が運んでくれるらしいから。」


「二人は…いつ、日本に帰ってくるの?」


「一応、予定は3月くらにかな。」


3月…ってことは私が卒業するまで!?
今はちょうど夏…だし。半年ちょっとあるよ…ね?

「結香の卒業式には参加出来るように帰るわ。」


「…ねえ、私がこの家に一人で暮らすのは、ダメなの?」


私だって高校3年生だよ…?一人暮らしくらいできるよ。