「授業を始めます。
…教科書を開いてください。」


先生の登場でクラスの女子の目は再びハートに。


…さっきまでの先生はいつもと違う感じだったなのに今の先生はいつものクールなちょっと冷たい感じの先生に戻っていた。

しゃべり方も…戻ってるし。

私が先生を見つめていたことに気がついたらしい。先生と目があった。


その、瞬間。本当に一瞬だけど先生と目があったあと先生がフワッと微笑んでくれた。
…それ反則。授業に集中出来ないよー…。


まあ、すぐにさっきまでの顔に戻ったけれど。


今の、私に笑ってくれたんだよ…ね!?
目、合ったもんね。


きゃーっ♪なんか嬉しい!!
そう思った時だった。先生が普通に近づいてきて耳元で囁く。いつもより、低めのトーンで。


「…さっきの“俺”他のやつには内緒、な…?」


み、耳に吐息がかかるー…!
私は答えるかわりに首をコクコク頷いた。
だって、それしか出来なかったんだもん…。






それから、一日は流れるように早く過ぎていった。


「じゃーね、結香ちゃん♪また明日ね!!」


るいちゃんは両手で手を振りながら笑顔を向けてきた。


「うん、バイバーイ。」


さて、帰ろう。
でも、その前に先生の所へ行こう。


今日の朝言っていた事についてずっと一日中考えてみた。けれど…全然分からなかったし。


多分…先生は英語準備室だ。



「スー…ハァー…よし。」


深呼吸を一回して、ノックをした。


「…はい、どうぞ。」


中からは当たり前だが先生の声。


ガラッ

「し、失礼しまーす。」


「あぁ、どうした?」


「先生、あの…朝言ってた話は一体、どういうことですか…?」


「んー?あぁ、あれか。
明日からについて話すつもりだったんだ。」


「明日から…?」


「そっか、知らなかったんだよな。
明日から一緒に暮らすんだよ、俺と。」


「え、誰がですか?」


「誰ってお前しかいないだろ。」