はぁ~♪このパン、美味しい!
やっぱり、さっき迷ったけどこっちにして正解。フワフワだし、最高♪


「なんだよ、結香。またそのパン食ってんのかよ。」

…このなんとも言えない上から目線なしゃべり方…秀くんだ。そのままチラッと視線を上にあげると...やっぱり。


「お前、よく飽きないで3年間も同じパン食うよな。」


まるでその言い方だと私が毎日3年間このパンを食べ続けてきたみたいじゃん、ひどいなぁ。


「ひどーい!!だってこれ、美味しいんだもん!」


でも確かに...パンといえばいつもこれだ。でもさ、このパン、お気に入りなんだよねぇ。
食べやすいし、味も好みだし、まさにパンの中のパン!


「ま、結香だもんな。」


「それ、どーいう意味さ!!」



「え?このパンみたいに真ん丸ってこと。」

そう言って口角を上げてニヤリと笑う秀くん。もー!なにさ、自分がちょーっとスポーツできてスタイルもちょーっと良くて、ちょーっとイケメンだからって!


「ひどーい!!」

私が秀くんを睨むと、彼は笑いながら自分の席に戻って行った。本当、失礼なんだから。...ま、こんな会話は日常茶飯事で今日が特別ってわけでもないんだけど。


真ん丸…って。たしかにさ、私は背も低いし体型だって細いとは言えないけど…そこまで?
実はちょっと気にしてるんだよ…?
やっぱり…ダイエットすべきかな…。

秀くんのせいで気になり鏡に自分を映した。そこにはやっぱり、ぽっちゃりする自分の姿。
もう、さっきの言葉結構気にしちゃうんですけどー。

そんなこと思ってると、るいちゃんが来た。相変わらずテンション高いなぁ。
目が合うと尻尾をふってくる犬のよう。

「結香ちゃーん♪おはよー!!」


「おはよー。」


いつもより、遅かったなぁ、るいちゃん。珍しいなぁ、普段はるいちゃんのが教室に来る方が早いのに。寝坊でもしたのかな?

なんて、考えている間にすぐ担任の先生が来たため会話が出来ない。
んー!早く話がしたいのにー。


担任の先生の名前は藤堂 淳 (とうどう じゅん)先生。
今日も相変わらずなんて素敵なんだろう。
24歳の英語の先生でまだ若い。だけど、かなり優秀で教え方とかも凄い分かりやすい。
英語大嫌いな私でも先生の授業は好きになれちゃうくらいだもん。


ルックスも黒髪に二重の切れ長な目、細身で色白な超イケメン。
だから先生のまわりはいつも女の子の群れが出来る。


身長は183センチだから148センチの私と並ぶとかなりの差がつく。