「おーい、俺の存在忘れてね?」




蓮が頬を膨らまして言う。





「あッ!ごめん…あたし空斗に夢中で…」





「ちぇ、見せつけやがって!でも、よかったな、空斗、琴音。」





「ああ。」






今のあたしには






空斗と蓮という大切な人が2人いて、






その人たちと毎日話して、遊んで





彼氏がいて、





たくさんの気持ちをもらって。





前までの生活がウソみたいに感じる。





昔、想像しているだけだった世界が、今ここにあって、





今、あり得ないと思う世界があたしの過去にある。





毎日が“楽しい”で埋め尽くされるようになった。





こんな奇跡が起こるなんて、夢にも思わなかったよ。





あたし、今、本当に幸せだ。





「ありがと。空斗、蓮。」