「ごめん、お兄ちゃんが早く帰って来いって。」 いつものようにさらりと口から嘘が出た。 こう言って彼女たちの誘いを断ってあいつのところに行くのは何度目だろう。 花梨の彼氏だとわかっていながらも、最近では罪悪感なんて皆無だった。 それにもう、二人にはなんの関係もない。