「空、別れよ」

ゆっくりゆっくり空に告げた。今までの思い出を思い出しながら

「うん」

空は分かってたんだね。

「なぁ蓮、俺と出会ったこと後悔する?」

「なんで?」

あ、うちはこの悲しい目を好きになったんだ。
守ってあげなきゃって思ったのに今この悲しい目をさせてる原因はうちだ……

「俺と出会わなかったら、蓮が傷つくことなかった。俺と出会わなかったら、今そんなふうに泣くことはなかっただろ?」

え?
空に言われて初めて気づいた。うち、泣いてる…

違う。空のせいじゃないって言わなきゃいけないのに、涙が止まってくれない。

空…

空…

そらー!

「俺そろそろ行くな!」

「今までありがとよ。楽しかった。」

「うちも、すごく楽しかった!空と出会えたこと後悔なんかしない。」

「ありがと」

悲しそうに笑いながら頭を撫でてくれる。

「じゃあな」

「うん」

空は歩きだす。うちをおいて…

「あ、そうそう。蓮幸せになれよ!」

なんで?
約束破って空から離れるのに何でそんなに優しいの?

今度こそ空は屋上を出ていった。


ごめんね?
ごめん空…

うちは空が出ていった扉にもたれてなき続けた。