その夜、私は拓哉に電話した。



トゥルルルルル トゥルルルル トゥルルルル



「もしもし」



「拓哉…」



「おぉどーかしたか愛羽」



「拓哉、正直に答えて…梨華ちゃんと、どーゆー関係?」



「…後輩だけど」



「嘘!部活も委員会も違うのにあんな仲良くなるはずない!」



「何?妬いてんの?」



「今日、手繋いで歩いてるの見た。」



「え…」



「どーゆーこと!?」



「…」



「何か言ってよ!」



「ごめん。俺、梨華ちゃんとつき合ってる…。」



頭を、金属バットで殴られるような感じがした。



「私…は…?」



「愛羽にコクられる1ヶ月前、梨華ちゃんにコクられて、それからつきあってた」



「じゃあ…何で私の告白OKしたの…?」



「愛羽のこと、好きだから」



「え…?」



「梨華ちゃんとは別れるから。俺は愛羽が好きだから。」



「…いつ?」



「その時が来たら…」



「その時って…っ」



「愛羽だって、テキトーに言って梨華ちゃん傷つけんの嫌だろ?」



「うん…。」



「俺のこと、信じて。」



「…分かった。」



「それまでは、誰にも秘密な。」



「…うん。」