その後、一週間経っても何の変化もない。
一緒に帰ったり、学校で話したり、もちろんキスもない。
「拓哉。今日、一緒に帰らない?」
「あ、ああ…うん、そうだな。」
~放課後~
「ねぇ拓哉。どうしてみんなに秘密なの?」
「んー。周りからいろいろ言われんのめんどいじゃん。」
「そーだけど…」
「それに、俺たちは俺たちのペースで、ゆっくりやっていきたいし。」
「あははっそーだね♪」
ギュッ
初めて、抱きしめられた。
「拓哉。大好き。」
「…俺も。」
拓哉は私を家まで送ってくれた。
拓哉が帰る姿を、私は二階の自分の部屋の窓から見つめていた。
「あ…。」
そこに幼なじみの梨華ちゃんがきた。
梨華ちゃん。藤堂梨華(とうどうりか)は1コ下で、小さい頃からよく遊んでいた。
梨華ちゃんには2コ離れたお姉ちゃんがいる。
ギャルで有名。
私たちの学校で、藤堂琉華(るか)の名前を知らない人はいないだろう。
小さい頃、梨華ちゃんと遊んでいても琉華さんと遊んだことは1回もない。
だから梨華ちゃんとは幼なじみだけど、琉華さんとはただの先輩後輩だ。
「え…?」
拓哉と梨華ちゃんが、手を繋いでる。
「何で…?何して…え?」
浮気…?
私はその場に座り込んだ。
「拓哉…」