「あ♪愛羽ちゃんだぁ♪」



「梨華ちゃん…」



偶然、梨華ちゃんに会った。



「愛羽ちゃん。梨華ね、愛羽ちゃんとお話ししたいことがあるんだぁ~」



「え…何…?」



「梨華ね、彼氏に、二股かけられてるかもなんだぁ~…」



ドクン



…気づい…てる?



「梨華、拓哉先輩とつき合ってるの。


でも最近、一緒に帰ってくれないし


電話も出てくれない…」



「二股…」



「でも!何があっても絶対に拓哉先輩と別れない!」



「そっか…」



「でも相手が愛羽ちゃんみたいな超~美女だったら泣いちゃうかもだけどね☆」



「梨華ちゃんの方が全っ然美女だから大丈夫」



「はは…」



トンッ



梨華ちゃんが抱きついてきた。



「愛羽ちゃんじゃなくても、誰でも、二股は辛いよぉ…」



「梨華ちゃん…」



梨華ちゃんは、泣いていた。



私は、何も言えなかった。