だから朝、入学式に参加したくないって
私に言ったんだ…


『…アンタは何も後悔することないよ……』

「…え?」


『アンタのただ平凡に暮らしていた姿が、お母さんの幸せだったんじゃない?』
「そ-なのかな…」

『私、アンタのお母さん、見たことないけど…親ってそ-ゆうもんじゃないの?』


今は、嫌いトカ最低なんてことじゃなくて…

ただ、コイツの心に閉ざされている思いを

聞いてあげたかった……


『お母さんは、空の上でアンタの入学、お祝いしてくれてるよ!!』


「…ありがと。
魅奈って、優しいんだな」


『ど-いたしまして♪さ、帰ろっ』


そして、私は立ち上がり
キス野郎に手を差し出した。


「おうっ」




最初は、とんだド変態かと思ってたけど…

もしかして、ただ寂しだけで
あんまり悪い奴じゃないかも……












「なぁ魅奈~」

『何?』


「キスしよーよぉ♪」

パチンッ

「痛-ッッ」

『この変態!!』



やっぱり、最低男だった……