「遠慮しとくよ。お邪魔になりたくないし」
「邪魔なんかじゃねぇよ。俺とお前の仲だろ?」



ほんと、酷い人だ。


僕が男だからこんな想いを抱えてるだなんて、夢見てもいないんだろう。



「今日は用事があるんだ。悪いね。」



僕は角を曲がっていく。



彼との距離は開くばかり。



将来彼は彼女と結婚して、家庭を築くだろう。



彼との距離は開くばかり。




愛を知ってしまった僕が、彼を忘れるのには



――まだ少し時間がかかる。



だから今は、この頬に涙を流させて。




END.