「…これはこれは、また派手にやったねぇ」
「す すみません…っ」
保健室に着いて、のん気に女性雑誌なんかを読んでいた世良先生の私を見た第一声がそれだった。
いくら保健の先生でも、学校で雑誌なんて読んでていいんですか!
…なんて、今はそんな事は言ってられない。
「傷口見たいから、こっちにおいで」
「あ、はいっ」
読みかけの雑誌をデスクに置いた世良先生は、そら豆形をした病院なんかでよく見る銀色のお盆のような物を取り出し、私の手の下に敷いた。
「出血はもう殆ど止まってきてるね。
消毒するから、ちょっと冷たいよ」
「はい。………ぁっ」
世良先生は長いピンセットみたいな奴で丸い綿に消毒液をつけて私の傷に塗ると、冷たいのとそれがしみてビクッと震えた。