夕陽と赤坂くんの3人でカフェを出ると、私たちはその足で東高の方へと向かった。


道中、お姉ちゃんの仕事先であるデザインリングのお店の前を通ったんだけど、その大きなガラス窓越しにお店の中が見えた。


白を基調としたオシャレな内装に、キレイに陳列された指輪にはキラキラと輝くシルバーに様々な宝石…



「っ!!」



そんなステキなお店には似付かわしくないような、恐らくあれがお姉ちゃんの言ってた小沢専務さんなんだろう。

上司にこっぴどく叱られペコペコと頭を下げているお姉ちゃんの姿が、窓ガラス越しに思い切り見えてしまったのだ。



「あれさっきのリクスー女とちゃうか?」



それは赤坂くんの目にも止まったらしく、指差されたお姉ちゃんに私はちょっと同情してしまった。



「梅シュの姉ちゃん、めっちゃ怒られてんで。
ありゃきっと、バカたれって言われとるんやろうなぁ」



社会人って…大変なんだよ…。


でも私は、朝は余裕もって起きた方がいいと思うよ、お姉ちゃん…。





私たちは温か…いや、生ぬるい目でお姉ちゃんを見送ると、練習試合の行われる東高へと向かった――――…。