「あ、心花!
おっはよ~!!」
おしゃれな木製のドアを開けると、カランカランと小気味よい音と共に夕陽の大きな声が私の耳に届いた。
「おはよう、夕陽!
…と……赤坂くん?」
昨夜お姉ちゃんが帰った後に夕陽に連絡をし、今日の朝待ち合わせをしたのが、この夕陽のお兄さんが勤めているというカフェ。
夕陽から聞いた話によると、出勤前の会社員が利用できるよう、朝早くからオープンしているみたいなのだ。
そんなわけで、お姉ちゃんの出勤時間を逆算してこの時間に夕陽と待ち合わせたんだけど…。
店内には案の定仕事前のお客さんがチラホラいるものの。
肝心のお姉ちゃんの姿は見当たらず、そして何故かカウンター席に座る夕陽の隣には、呼んだ覚えもないのに赤坂くんがいたのだ。
「よぉ、梅シュ!
おはよーさん」
…別に構わないけど、梅津ッシュから梅ッシュになって、今度は梅シュだなんて。
「いつの間にか私はただの梅酒になっちゃってるよ!
…えーと、私を飲むつもりかいな!
てゆーかあんた、まだ未成年やねんっ」
…頑張ってツッコんだぞ。
て言うか、赤坂くんがいるとは思わなかったから、予定外のツッコミに朝から頭をひねっちゃったよぉ!