「クソウマ!形は悪いのに、この程よい甘さ!
昨日のボロい甘々クッキーも美味かったが、このマフィンもクソ美味ぇ!!」



包みを開いては、ガツガツと失敗作マフィンを平らげていく金髪ヤンキー。


美味しいって言ってもらえた事は素直に嬉しかったけど、その前に1つ気になる言葉を聞き逃さなかった。


『昨日のボロい甘々クッキー』?




「クソっ!喉が渇いた!
焼き菓子を食うなら、やっぱりジュースも用意しときゃな」



割とたくさんあったマフィンが次々と食べられ、残りも半分ほどになってしまった。

その勢いには驚かされつつも、私はどうしても気になって、そっとある言葉をぼやいた。



「八百屋の…武藤…?」



「なにぃ!?
テメェ、うちの店の客だったのか!」



あぁ、やっぱりそうだった。


て事は…



――『兄が少し曲がってるせいか、両親…特に母は僕を良い大学に行かせたいようなんです』



この金髪ヤンキーは、武藤くんの言ってたお兄さんなんだーーっ!!?