大きな通りに出た。


後は街灯の多い道をまっすぐに行けばいいだけだから、もう大丈夫だよね。



「送って頂き、ありがとうございました。菅野先生」



「うん。気を付けて帰るんだよ」



「はい、じゃあ失礼しまーす」



私はペコリと頭を下げると、小さく手を振って菅野先生と別れた。



お姉ちゃんも私が帰ったらアパートに戻るって言ってたから、待ってるかもしれない。

さっ、早く帰ろう!



私は少し早歩きになりながら、夜の大通りを進んだ。



…のだけど…



「オイ!」



ドスのきいた声が背後からかかり、私はビクッとして足を止めた。


菅野先生かなぁ。
私、何か忘れ物してた?

て言うか、菅野先生にしてはちょっぴり言い方が怖い…



おそるおそる、私は声がした方へとゆっくり振り向いた。