「へぇ!
これ梅津さんが作ったのかい?」



「はい。
私、学校じゃあ料理部に所属してるんですよ!」



「なるほど。
じゃあ後で、コーヒーと一緒にいただこうかな」



嬉しそうに、私のマフィンを受け取った菅野先生だけど…。



「……………………」



…本当なら、小沢先輩に受け取ってもらうハズだったのになぁ。


そう思うと、何だかちょっと悲しくなってきた。


「美味しい」って言ってもらえるものを作りたくて入った料理部なのに。

せっかくの自信作は渡せないし、マネージャーにもなれないし、私………




「…梅津さん?
ごめん。僕、何か悪かったかな」



「えっ、あ…っ」



小沢先輩の事を考えていたら、またボーっとしちゃってたみたい。


菅野先生、不安になって顔を覗き込んでたよぉ。