「まだ採点済んでない人…
あ、後は梅津さんかな?」



菅野先生の呼び声に、私と武藤くんがハッとして前を向いた。



「す すみませんっ
まだ…っ」



「すみません心花先輩。僕がいたら、心花先輩の勉強の妨げになってしまってますね。
やっぱり僕、帰ります。ごめんなさい」



「あ…」



席を立った武藤くんはニッコリほほえむと、そのまま自習室を出て行った。


さっきのような緊張感はなくなっていたものの…その笑顔は、どこか悲しげなようにも見えた。




あ…マフィンあげられなかったな。



だけどさっきの雰囲気じゃ、とてもあげるわけにもいかなかったかも。




ごめんね、武藤くん。

私が課題遅いせいで、傷つけちゃったよね…。