「あぁ、Ecstaticのリュウジですか?
それなら、以前うちの店でバイトしてたんで知ってますよ?」



「ぅえぇえぇぇぇ!?」



塾の講義も終え、いつもの自習室で課題をやりながら武藤くんとあの事を話すと、もっとスゴい情報を聞いて私は大声をあげていた。



まだバラバラといるまわりの生徒たちには白い目で見られ、手で口を押さえて身を縮ませる。



「そんなにビックリしました?
リュウジさんとは普通に話したりしてましたけど、本当にメジャーデビューしちゃってスゴいですね。
兄から聞きましたが、やっぱり夢を追うって素晴らしいなと思いました」


「ひゃー…リュウジが武藤くんのお店でバイト…。
ん、て言うか武藤くん家って何屋さん?」



まっすぐで生真面目な武藤くんだから、きっと本屋さんとか?
文具店も似合うよね。

案外夕陽のとこみたいにカフェとかもいいかも!…て、この辺りにカフェは夕陽のとこだけか。



「うちは八百屋ですよ。
八百屋の武藤って商店街の一角にあるんですけど、そういえば菅野先生もうちの野菜を買ってくれる常連さんです」



「わぁ!!」



いろいろビックリする事やツッコむ事がいっぱいだぁ!


と言うか、世間て狭いのねーっ