使ったボウルやオーブンなどを片付けると、窓からは夕日が差し込んできた。


あー、夕日が…夕陽が目にしみるなぁ。

なんて、誰のギャグ言ってんだか。



「そっち、終わった?」



「…あ、はい。
後はゴミを集めたら終わりです」



最後の片付けまでチェックをするのが部長である忍先輩の役目。

そしてそのサポートが副部長の私。


他の部員たちは、自分の片付けを終えると次々と帰っていった。




「…心花ちゃん、さっきからずっと元気ないけど?」



「えっ!?
そ そんな事…」

「尚人の事?」



「――――っ!!」




この調理室には、もう私と忍先輩だけになっていた。


オレンジ色の夕日が、私と忍先輩を優しく照らしている――。