「あ、おはよう。心花」



またしても教室までをバタバタと走り抜け、席に着いた時には赤坂くんと夕陽が隣の席でダベっていた。



「なんや梅ッシュ。
朝からえらい顔してんで?」



ほぼ全速力で走り抜けて来たからってのもあるんだけど。

私が顔を真っ赤にしながら呼吸を乱しているのは、それだけが理由じゃあない。


…もちろん世良先生との事は、夕陽たちには恥ずかしくて言えないけど。



「あ…はは…。
遅刻するかと思って…ね。
おはよう、2人共」



本当は先に一度、教室には来たんだけどね。

私は照れ隠しに苦笑いをしてみたけど、このドキドキはもうしばらく治らなかった。



(んもぉ!
世良先生のバカ!)




だけどそんな私を見て、赤坂くんは変な事をぼやいていたのだ。



「…女が息切らしながら赤くなるのん、グッとクるわぁ」



ええええーっ!!

赤坂くんまでヘンタイ発言!?