「じゃあさ、何で俺がここでのんびり保健医やってるかも知ってるんだね？」



「え…？」



世良先生がスゴいお金持ちのスゴい人なのは、よくわかった。

だけど、それがどうしてママ高の気怠い保健医をやってるかなんて、それはわからない。



「えっと…お金持ちだから？」



単純だけど、それしか思い付かない。

お金持ちだからこその余裕って奴かなぁ。



「うーん、半分正解」



「半分？」



やっぱり、お金持ち故の余裕なんだ。

でも残りの半分って何だろう。



「何だ、さすがの梅津もそこまで知らないか。
実はこのママ高、理事がうちの管下なんだよ」



「理事！？」



「面倒くさい事は父や兄に任してるんだけどさ。
だからこそ、俺はここでのーんびりとしてるわけ。
なかなかいいだろ？」




うはー…

なるほど。
世良先生がいつも気怠くしてられるのは、そういう理由だったのかぁ。



驚愕の事実に、もう私の手のひらは知らない間にびっしょりになっていたくらいだ。