「おかえりー、心花っ」



「お姉ちゃん!」



家に着き玄関のドアを開けると、晩ご飯の美味しそうなニオイが漂ってきた。


学校から帰ってすぐ塾に向かったから、当然晩ご飯はまだ。

お腹空いたよぉっ。



勉強道具の入ったカバンを部屋に置き、すぐに美味しそうなニオイのするダイニングへと行くと、そこには両親の他に1人暮らしをしているお姉ちゃんの姿があった。



「塾に通ってんだっけ?
大変だね~」



うちのお姉ちゃんは私よりも8つも離れてる、社会人。
名前も梅津心晴って、私と一文字違いなのだ。



「うん、でも先生は優しいし…
うわぁ、ハンバーグにエビフライまで付いてる!何かいつもよりも、スゴい豪華な晩ご飯じゃない?」



ダイニングのテーブルには、漂ってきたニオイの予想を裏切らないお料理が並んでいた。

ハンバーグは私の大好物だもんね。



「そりゃあ久々の帰省だもの。これくらい歓迎してくれなきゃね」



帰省って。

同じ市内に住んでるんだから、庭みたいなものじゃないかなぁ。