そんなダブル小沢の謎のシンクロに私とお姉ちゃんが唖然としていたところで、更に驚くべき会話が目の前で繰り広げられた。




「つーか圭治、相変わらず頭固ぇでやんの。
そんなんだから、いつまで経ってもマトモに結婚出来ないんじゃねーの？」



「尚人！お前、部下の前で…っ」



「何だよ、本当の事じゃんよ。
いくら仕事じゃあ専務様々でも、マトモな女もいないんじゃあ人生負け組だぜ？」




なぁっ！
何なのっ、この会話はぁ！

まるでこれじゃあ、２人は知り合いみたいな…



「「はっ！！」」



そこは姉妹、私とお姉ちゃんも同時に同じ事に気付いたようだった。



「小沢先輩は…」


「まさか専務、この彼は…」




ゴクリと喉を鳴らすと、そのあり得なくもないトンデモな可能性を同時に口にした。



「「隠し子だったんですか…？」」





するとそれを聞いたダブル小沢たちはみるみると眉間にシワを寄せ、そして同時に怒鳴った。




「「このバッかモーん！！！」」




まるで生きたステレオ！

怒鳴り声なのに、キレイにハモって３Ｄのように聞こえます！





そしてこの後、私たちはダブル小沢の関係を聞いて妙に納得するのだった。










「何だ…専務の隠し子じゃなかったんだ。ﾁｯ…」



お姉ちゃん、弱みを握れると思ったんだね。


現実はそんなに甘くなかったよ。