「ええっ
チョコプレート、なくなっちゃったんですか?」



「そうなの。
これが予想以上の反響でね。
まさかこんなに売れちゃうとは思わなかったわ」



「そんなぁ…」



調理室に戻ってみると生徒の姿は殆どなく、午前中はあんなにごった返してたのにどうしたんだろうと思った。


だけどまさか、プレートの方が先になくなっちゃうなんてぇ!



せっかく私の為にって忍先輩の案で催された“恋のキューピット大作戦(仮)”だったんだけど…。







「…………………!」



そうだ!ここは調理室だもん、火も水も調味料もある。

だったら…!




「梅津さん!?」



私は調理室の壁にかけているマイエプロンを取り、それを着た。


それから戸棚にしまってあるホットケーキミックスや卵を取り出すと、水と一緒にボウルにまぜた。



美味くてお腹一杯食べれるものを作ってあげる事はできなかったけど、でも私だってこの料理部でたくさん料理の勉強をした。


まだまだ忍先輩の足下にも及ばないけど、でも1年前よりもずっと上手になれたと思う。




『ホットケーキミックスは最初から材料がうまいバランスで入ってるから、簡単に作れる万能なお菓子の粉なのよ』



いつか忍先輩から教わった言葉。

それが今、とても役に立ちそうですー!!