「キャー!
リュウジー!」


「やだぁ!ホンモノ!」



えぇっ!?


主に女子生徒たちがあげる黄色い声に便乗して、私も悲鳴をあげそうになった。


だって!

だってうちのママ高に…

むしろ私の目の前に、あのEcstaticのギタリスト、リュウジが立っているんだものーーー!!




テレビや雑誌で見るようなビジュアル系の衣装とは違い、ジーンズにしましまシャツという思い切り私服のリュウジ。

だけど肩から下げたギター姿は、間違いなく今注目のバンドEcstaticのリュウジだった!




「ヤッホー、ママ高のみなさん。
リュウジだyo♪」



ぎゃあぁぁあぁぁぁ!

憧れのアーティストが生でしゃべってるー!!


まわりの女子生徒に負けじと、いつの間にか私も黄色い声をだして熱狂していた。


武藤くん!あなたのおかげなのよね!

一生感謝するからぁ!!




「今日は俺1人だけど、ママ高さんの為に1曲歌わせてもらうね」



振り上げたピックをギターの弦に滑らせると、リュウジは思い切り息を吸い込んで歌い始めた。