「優ちゃんも、今部活の帰り?」



「そうだよ。今日も練習キツかったーっ」



小沢先輩を妙にライバル視していて、サッカーバカになっちゃってる優ちゃんだけど、そこがイイトコでもあるよね。

私は思わず、クスリと笑ってしまった。



「お疲れさま。
本当は甘いものでもあげたいとこなんだけど、今日はないんだぁ。ごめんねっ」



「へぇ?いつも何かしら食わされてんのに、今日はないんだ」



食わされてるって言い方が若干気になるけれど、でもちゃんと気にしてくれてるって事だよね。

そういうのって、案外嬉しかったりもするんだよ。



「最近はチョコレートを溶かしたり冷やしたりしてるだけだから、残骸が出ないんだもん。
でもそれも、明日までだけどね」



「明日まで?」



…そうだ。

明日の土曜日は他校はお休みだし、ママ高の学祭は一般人も出入り自由だから優ちゃんを誘っちゃおう。



「ね、優ちゃん。
明日うちのママ高が学祭なんだけどね――…」