“彼女はいる…”


一応その後“…と思うよ”なんて言っていた菅野先生だけど。


やっぱり、そういう人はいるのはいるんだ!



特に厚い包装なんかはしていないその箱を手に取ると、私は、勝手にそんな大事なものを…と思いつつもパカッと蓋を開けてみた。




「…ペアリング…!」



蓋の内側には向き合った2人の天使がデザインされていて、その中には2つの指輪が刺さっていた。


これはどう見ても間違いなく、彼女とのペアリングだよねっ




「…………………っ」



リアルなオトナな恋愛を目の当たりにした私は、既に胸がドキドキと鳴り響いてきた。



菅野先生が彼女に贈ろうとしている大切な指輪だ…っ

だけど、そんな彼女を「いると思う」なんて言ったのはどうして?


そして、その彼女ってどんな人なの?




「…………………」



そんな事しちゃイケナイってわかっていつつも、私は…その箱に入っている指輪を抜いて内側を見た。





“S¸S” “K¸U”



「………………?」




S¸Sは、菅野聡だから先生だ。


だけど、K¸U…?



Uって事は、“う”…。

“う”で始まって“K”の名前って…



梅津……?


心………