落ちるな。




落ちるな。





落ちるなっ!!



心臓がバクバクと跳ね回る。



フラフラとしながらボールが落ちたのは、リングの内側だった。

上から歓喜の声が響き渡ってくる。

スリーポイントシュート。

「成功…した…。」

俺は緊張の糸が切れて、地面に尻餅を着いた。

視線をあげると、冬花も床にへたれこんでいた。

俺はニッと笑うと、冬花にピースをした。

冬花も力なく、へにゃへにゃと笑ってピースを返す。

「秋彦は強いねぇ」

優が俺に向かって手を差し伸べてくる。

「まぐれだよ。優だって強いだろ?優のレイアップは100%成功するし」

彼の手をつかむと、彼が俺を引き上げてくれた。

「ありがとう」

「こちらこそ」

俺たちは互いの目を見て、互いに強く手を握り合った。

冬花もそれを離れたところから見ているのに俺は気付かなかった。

その後も、俺のクラスは冬花と俺の活躍によって勝ち進んでいった。

優のクラスも敗者復活戦で勝ち上がり、ビリから三番目でとまった。

準決勝と決勝戦を残し、昼休みに入った。