結城くん捕まってしまったので、もう帰るという選択肢は不可能になってしまった



「ねぇ、ちょっと来てよ」



私の腕を引いて物理室の中に入れられてしまった





物理室の中にはアンプやドラムセットやキーボードが置かれていた。




「俺、バンド組んでて、ここで練習してるんだよね。でも、みんな不器用なやつばっかでさ楽器しながら歌うってできないの」

といいながらドラムを叩いてみる結城くん



「だから、和音ちゃんに歌ってほしいんだ」



話すときは手を止めて私の方をまっすぐ見て話す。





あ、この人は本気なんだ……





目を見れば分かる。

ブレずに、まっすぐ。

私の目だけを見ている。



………ドキッ…