外に出ると、さっきより雨が酷くなったことに気付く。


「友よ」

「………。」

「我が友よ」

「…………。」

「我が愛人よぉぉおおぉおっ」

「来んな、変態」


抱きついてこようとする友人の顔面を押さえつけながら、右手で器用に傘をさす。

傘をさしたところで、友人の顔面から手を離すわけだが。


「……お前は帰らないのか」


いっこうに傘をさそうとしない友人。

まさかとは思うが、


「傘、忘れたのか」

「おうよっ!」


ドヤ顔で言われても。