もしかしたら海かもしれない



あのよく行った海に。



いるかもしれない。






「竜紀…晴陏…どこにいるの?」



寝ても覚めても泣きっぱなし。




「晴陏は…」

「竜紀!!」
英菜が竜紀を止める。



嫌な予感しかわかなかった。


「しょうがないだろ!」

「でもっ…!」

「言わないと李潤は…」


涙で濡れた病室と

2度目にキスした

あの日と同じ夕日の光

病室の大きな窓から

漏れる光があたし達の

涙一粒一粒を輝かせる。