郁美は、ゆっくりブランコから立ち上がって大きくのびをした。


少しひんやりした風が郁美の柔らかな髪をなびかせ、夕暮れのオレンジ色の光がスポットライトのように郁美の細い体を包み込む。


こうして見るとやはり郁美の外見は美しくて可愛くて、同性の私でも見とれてしまう。


外見ばかりが全てじゃない、とわかっていてもこんな可愛い娘を振ったのが、土橋修であることがまだ信じられなかった。


「ねぇ、桃子」


「ん?」


「あたし、やっぱり修とやり直したい。
桃子は修と同じ高校でしょ。
修と会えるようにセッティングして欲しいの」


郁美は、申し訳なさそうな顔をゆっくりこちらに向けた。