「ごめんね、嘘ついてて……。

エッチ済ませてた娘多かったから焦っちゃって……」


郁美は少し顔を赤らめた。


「でも、正直あんたが処女だった方が驚きだわ」


「あたし、いろんな人と付き合ってきたし、もちろんしたがる人もいたよ。

でも、なんかどうしてもしたくなかった。迫られるともうダメ。すぐ相手が嫌になった。

だけど修だと平気っていうか……むしろ自分から誘ったっていうか……」


後半しどろもどろになっているが、郁美は土橋修が大好きだから抱かれたくて自分から迫った、と言うことだろう。


「初めてって怖かったし、恥ずかしかったし、痛かったけど、大好きな人だから幸せだったのに……。

ねえ、桃子。やっぱり修と会えるようにできないかな……」


郁美の瞳からはまた大粒の涙が溢れて、乾いた地面に再びシミを落とした。