私もブランコから立ち上がり、そばに停めていた自転車のカゴの中に入れていたカバンに手を伸ばした。


イライラしてきてやけに喉が渇く。
カバンの中からすっかりぬるくなった飲みかけのペットボトルを取り出し、口に流し込んだ。



「……あたし、多分修にヤリ捨てされたかも」


唐突な郁美の言葉に驚いて、私は飲んでいたお茶が気管に入りむせてしまった。


ひとしきりゲホゲホとむせたのが落ち着いてから、私は郁美を見つめて


「ヤリ捨て……?」


と言った。


「このまま修と連絡取れないならそういうことになるかも。

……あたし、初めてだったけど、修ならいいと思ってたのに……」


再びハンカチを目にあてる郁美をよそに、私は


「郁美、初めてだったの!?」


と、再び驚いた。