それから病院内をうろうろしていると。



「チハ」


と、大好きな声が聞こえてくる。



すぐにそこへ視線を向ければ、


老人とは思えないスーツの似合う祖父が立っていた。





「今日は仕事?」


「ああ、ちょっと呼ばれてね。
身体の調子は?」


「うん。昨日よりはだいぶいい感じ」



そういうと、おじいちゃんは微笑み、


優しくあたしの頭をなでる。




「また仕事が終わったら病室に行くからね」




最後にそう言って、


おじいちゃんは颯爽と行ってしまった。