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季節は夏へと変わり、日に日に暑くなってきて。
気づけば、七月の半ばになっていた。
あたしはいつものように病室のベッドに横たわり、ただ本に溺れている。
昔からあまり丈夫でないこの身体は、
時折その姿を闇の中から現し、蝕んでいく。
そのたびに、こうしてあたしは病院に閉じ込められている。
まるで、ちいさな鳥籠に入れられる鳥のようだと、あたしはいつも嘲笑っている。
ベッドに横たわりながら、何度も読み返した本をペラペラと捲った後、ぼんやりと、空を見つめた。
毎日巡回検診にくる看護師さんも、
三食出てくる病院食も、
二日経てば飽き飽きした。
じっとなんて、していられない。
だからあたしは病院内をぐるぐると廻る。