そして。



―――――――今に至るわけである。




ボー、と待合椅子に途方もなく

座っていると。




ふと、颯爽と歩く少女が目に入った。



長く、艶やかな黒髪を揺らしながら

俺の横を通り過ぎていく。



他の人からかけられる言葉を

すべて無視して歩く彼女は。






まるで猫のようだった。