結果を教えてくれた医師に感謝の言葉を述べた俺は。


診察室を出てすぐに、空いている右手で親友である晃一に電話を繋げた。


小野晃一。

彼は大学内で一番の親友であり、よき理解者だ。


数コールの後、その気だるそうな声が電話の向こうから聞こえた。



『樹?』


「おー、あのさ、俺の部屋から適当に服持ってきてくんね?」


『は?何で?』


「ーーー入院することになった」





ことの発端は。


俺のバイト先である、カフェで起きた。