――――――― ―――― 初めて彼女を見かけたのは、病院の待合室だった。 親しげにかけられる声を次々に無視をして。 つややかな肩以上ある黒髪を揺らし どこかへ向かう彼女は、 猫のように上品で艶めかしく。 そして、とても、儚げだった。 一瞬にして、そんな彼女に俺は。 釘付けになってしまったんだ。